2016年
7月
20日
水
極度な肥満のため引きこもっている主人公。
時々訪れるのは妹とその夫。
撮影したまま古いフィルムを見つけて現像したところ、
そこに写っていたのは楽しかった日々の写真。
その写真を現像するために訪れた写真屋で中古のデジタルカメラを手に入れ、
そのカメラで写真を撮影する中で自分の輝きを取り戻していく。
カメラを持てば誰でも芸術家になれるのですからね。
私もそうですが、写真を撮影することで、自分が変れるし、
世の中が違って見えてくるのです。
そして、
義理の弟、写真屋の息子達との友情が育まれていく。
肥満による心臓への負担のため外出も命がけ。
それでも、写真を撮るために、彼の思いを叶えるために三人は海に向かう。
映画の中でカメラが重要なモチーフとなっていまいす。
未現像のフィルムが入っていたのは110フィルムのポケットカメラ。
カメラ屋から半分騙されて購入したのは中古のオリンパスのコンパクトデジカメ。
再生の旅に出かける時に写真屋からプレゼントされるのはニコンF3。
この映画祭はデジタル撮影された映画のコンペという触れ込みで
13年前にスタートしました。
その頃はちょうどアナログからデジタルへの移行期でした。
現在ではデジタル撮影が当たり前になっておりますが、
この映画のもう1つのテーマとして、
アナログフイルム、アナログプリントへのオマージュがあると思います。
お部屋のセット、アパートの経年劣化感がとても素敵です。
カメラ同様、過去、古いものを優しく見つめる監督の暖かい眼差しを感じました。
写真屋さん必見の映画です。
2016年
7月
20日
水
リベリアでゴムの木から樹脂を採取する仕事。
過酷な労働、貧しい暮らし、ストライキ、教会での集会。
指導者がラップ調で煽動するシーンが印象に残った。
貧しさから抜け出すためにアメリカへ。
アメリカンドリームという虚像。
様々な人種、様々な過去を持つタクシードライバー。
アフリカと同じ様に過酷な労働の日々。
自分の生活と家族を思い、一生懸命に守ろうとしているだけなのに。
どこまでも付きまとう内戦での大量虐殺という過去。
この映画の主人公のように、アフリカからアメリカへ渡っても、
1、2年は家族に仕送りをするが、
その後消息を断ってしまう事が多いそうです。
カメラがドキュメント風に近づいていくので迫力ありました。
監督がリベリアには電気も水道も通っていない所での
撮影なので発電機を持ち込んで撮影していたと話していました。
大きな光源、凝ったライティングは不可能ですね。
僅かな地明かり、弱い光でも描写しているのでナマナマしい映像になります。
かつては、奴隷制度があり、アフリカから強制的にアメリカへ。
今ではアメリカンドリームを持ってアメリカへ渡るが、
厳しい現実がそこに。変らない過去、歴史。希望のない未来。
リベリアでの内戦の事を考えたり、
色んなことを考えさせられる映画でした。
来年の春、日本でも公開される事が決まったようです。
それに先駆けて見られたこと(しかも川口で)嬉しく思います。
アウトオブマイハンド 予告
2016年
6月
27日
月
ピンボケ、ブレ、露出オーバー、アンダーなど、
失敗写真を失くすにはどうしたら良いか?
答えは
失敗した写真は迷わず、破り捨てる。
デジタルなら、削除する。
簡単でしょ!?
写真学校で恩師から教わった事でもあります。
失敗写真は迷わず、
破り捨てるべし!
削除するべし!
この無念さが次の失敗を失くすための糧となり、失敗を認める潔さになっています。