記念写真を撮るということ

昨年の春のこと。

 

100歳になるお婆様を囲んで三世代、総勢12名の記念写真を撮影させて頂きました。

パステルカラーのストールを巻いて髪をセットしたお婆様は優雅で品があり、
とても100歳には見えませんでした。
和やかな雰囲気のお写真が仕上がり、
納品の際には感謝のお言葉まで頂き写真屋冥利につきます。

 そして、この一枚の家族写真のために

大変なご苦労があった事を話して下さいました。

何といっても、
スケジュールを合わせて親戚が集まることの困難さ。
お婆ちゃんのお化粧、スタイルはどうしよう?
家族の皆様のドレスコードはどうするの?
親族間で喧々諤々あったそうです。

 

全ては素敵な思い出の写真のために、

 

一枚の写真に込められた皆様の思い。

 

そんなお気持ちも写真に表現されていたと確信します。

 

さらに後日談。

 

先日、そのご家族の方がお店の前をお通りになったのでご挨拶したところ、
そのお婆様がお亡くなりになった事を告げられました。
そして、
「撮影して本当に良かったです」
と再度感謝のお言葉を頂きました。

 

写真屋はお悔やみの言葉をかける事も出来ず、ただ、頭を下げるばかりでした。

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