この時期になると就職活動を控えて暗い気持ちに陥っていた学生時代の自分を思い出します。
サークル活動もアルバイト、もちろん勉強も全てが中途半端だった学生生活。
彼女いない、お金もない、特に夢もない。
学校には通っていたけれど、近くの喫茶店でお茶を飲んでウダウダして。
時間を垂れ流していた学生生活。
日々、悶々としていました。
そんな学生生活も3年生の年度末試験が終わると学内は一気に就職活動のスイッチが入ります。
時はバブル。超売り手市場と言われた就職戦線。
大手有名企業に就職して何ぼ、という雰囲気が回りにはありました。
バリバリ営業して稼ぎたい人は証券業界。ゼミの推薦もらえる成績優秀な人は都市銀行。
将来を見越してコンピューターソフト業界。公務員試験を受験。
目標を持って動き出す人が眩しく見えました。
私はといえば、特に興味のある業界もないし、やりたい事もない。
大量に送られてくる就職情報誌のページをめくっても憂鬱になるだけでした。
焦りました。困りました。
そして私がとった行動はというと、
就職戦線、離脱。現実逃避です。
南の島への逃避行。
犯罪者の心理のように、遠くへ行けば何とかなるような気がして、
与那国島へ行きました。
サトウキビの刈入れという日本一過酷なアルバイで自分を試したら何かが変るような気がしました。
二月の沖縄は春先のような陽気。曇りの日が多いけれど、晴れると夏。
飯付き、酒付き、宿付きというVip待遇。
仕事はというと、絡まって生えているキビの根元を斧で叩き切って、
それを引っ張り出して束ねるという作業。
切る、抜く、束ねるの繰り返し。
過酷でした。自分が甘すぎました。
そして、
3日間で帰ることを決意しました。
暑くて辛かった。
作業着がドロドロで辛かった。
単純作業が辛かった。
体中が痛くて辛かった。
雨が降ると何もやることがなくて辛かった。
静か過ぎる夜が辛かった。
迷惑をかけてしまったのに、バイト先のオジイは
「良く頑張ったね」と見送ってくれました。
自分なりに味わった小さな挫折。
帰宅後、心機一転、就職戦線に復活しました。